主人公・日向と同級生、同ポジションでありながら、冷静沈着、頭が良くて毒舌と、正反対な性格の月島。
そんな彼の武器は、鋭い観察眼から生み出される緻密なブロック。中でも「ドシャット」と呼ばれる、相手のスパイクを完全に打ち返すブロックは試合展開を大きく変える武器でもあります。
今回は、試合の流れだけでなく、月島のバレーボール人生の流れをも大きく変えたドシャットについて掘り下げてみました。
月島ドシャットは原作19巻163話、アニメ3期4話。春高予選決勝、白鳥沢との試合にて
月島のドシャットは、春高予選、県内強豪・白鳥沢との試合内にて行われます。
絶対王者と呼ばれる白鳥沢。圧倒的なパワーで繰り出される、エース・牛島のスパイクは高さ、パワーに加えてコントロールも抜群。他のスパイカーとは一線を画しています。
牛島をいかに止めるか、が重要なポイント。その一手を担うのが烏野ブロックの要・月島です。
試合序盤から、白鳥沢のスパイクに必ずワンタッチするなど、じわじわと白鳥沢のセッター・白布を追い込んでいく月島。
なかなか決まらないラリーの末、苛立ちと焦りからほんの少しネットに近くなった白布のトス。それによりほんの少しだけ乱れた牛島のスパイクを月島は見逃しませんでした。
一進一退の試合展開で決定打となるブロック。
一瞬の静寂の後、大きな歓声とともにそのセットは烏野に。
湧き上がる会場、普段感情を表に出さない月島の渾身のガッツポーズに、烏野メンバー、監督、コーチ、応援団も歓喜の声!
熱量が低く、斜に構えたスタンスの月島が殻を破った瞬間でした。
白鳥沢戦が始まってからずっと、この瞬間を静かに待っていたツッキー。計算して作り上げた一瞬の綻びを逃さず捕らえ、ブロックが決まった後の熱いガッツポーズに、わたしも思わず拳を握ってしまいました!
熱量が低いくせに負けず嫌い。同じ一年生の日向や影山が派手に目立つ中で、1人静かに“その時”を待っていたツッキー。
でも、決してサラリとこなした訳じゃない。この一瞬のために、日々練習を重ね、試合中も集中力を切らさず、コートの全ての観察して…その全てが報われたブロック!からのガッツポーズ…!!
もう…もう……泣いてしまいましたよ。。
さらに、この回はアニメ「ハイキュー!!」ベストエピソードで堂々たる第1位を獲得!
月島ファンだけでなく、ハイキューファン全ての心に残ったシーンとも言えそうです。
あなたはどちら派?原作とアニメはガッツポーズが違う!
多くの人の心に残ったツッキーのガッツポーズですが、実は!原作とアニメで微妙に違いがあるんです。
それは、ツッキーが吠えているかいないか。
原作ではガッツポーズだけなのですが(正確に言うと、吠えているのかも知れないけどセリフの記載はない)、アニメでは内山さんのイケメンボイスでツッキーが吠えています。
個人的にはドシャットまでの攻防はアニメの方が、音や動きの表現がわかりやすく、スピード感もダイレクトに感じるから好き。
けれど、ガッツポーズのシーンだけを取ると、原作の方がグッときます。
見開き2Pの大ゴマ。思いっきり振り下ろした拳、その背中。声も表情も見えない、静かな、だけど、ものすごいエネルギーを感じる表現。
今まで低体温だったツッキーとのギャップが、音や動きがない漫画だからこそ、より伝わってくる。そんな感じがするのです。
わかりやすいアニメと、想像力で補完する漫画。みなさんはどっちのガッツポーズが好きですか?
ドシャットまでの道は長かった…!夏合宿から始まったツッキーの成長
入部当初から、身長もあるし、バレー経験もあった月島。けれど、どこか冷めていて、必死に打ち込むことはしませんでした。
その背景にあったのは、兄の存在。
幼い頃、憧れの存在だった兄の高校時代の挫折。頑張れば頑張る分だけ苦しくなる、と当時小学生だった月島少年は強く感じたのでした。
そんな月島に転機が訪れたのは、東京合宿。原作では9巻〜11巻、アニメでは2期1話〜11話で描かれています。
他の烏野メンバーが練習後も自主練に励む中、月島は練習が終わるとすぐに下宿先に帰ってしまう。いつも通りの冷めた月島で合宿は始まります。
けれど、他校の主将陣に無理やり自主練に付き合わされたり、小学校からの幼馴染・山口に喝を入れらたり…その中で、技術だけでなく、バレーに対する意識も少しずつ変化していく月島。
ブロックの基本を学んだのもこの時でした。
合宿から戻った後も、自ら繋心にアドバイスを求めるなど、今までとは違う月島がそこにはいました。
そして、白鳥沢戦。序盤から少しずつ仕掛け、生み出した一瞬の隙。
あのドシャットは、夏合宿の時から静かに、けれど着実に月島が培ってきたものだったのです。
ドシャットが決まった瞬間、月島の脳裏をよぎった梟谷主将、木兎の言葉。
「もしも、その瞬間が来たら、それがお前がバレーにハマる瞬間だ」
バレーに対して本気になりきれなかった月島が、紛れもなくバレーにハマった瞬間でした。
東京合宿から白鳥沢戦まで、ツッキーだけじゃなく、他のメンバーもそれぞれで成長をしています。
中でも、スポットライトが当たるのはやはり主役の日向・影山。
けれど、その裏でツッキーも着実に成長していった。その証としての最強スパイカー・牛若から奪ったドシャット!これ以上のものはないでしょう…!
まとめ
・月島ドシャットは原作19巻163話、アニメ3期4話。春高予選決勝、白鳥沢戦にて
・原作とアニメはガッツポーズが微妙に違う
・ドシャットができたのは、夏合宿から始まったツッキーの地道な努力があったから
弛まぬ努力の末の結果。
ツッキーが感情を表に出す、珍しい瞬間を是非、みてみてくださいね!
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