ハイキュー!!の主軸である、日向と影山。
同じチームでありながら、ライバル意識も強く、ぶつかり合いながら成長していくふたり。
なので、喧嘩もちょこちょこ勃発します。
そんな中で、チームとしてもターニングポイントとなった、日向・影山の取っ組み合いの大喧嘩について、今回はみていきたいと思います。
日向・影山、喧嘩回は原作10巻82話、アニメではセカンドシーズン第5話。
ふたりの喧嘩のきっかけは、初めての東京遠征でした。
春高全国大会に向け、練習を重ねる烏野メンバー。そこへ、音駒高校の監督・猫又先生から、関東の梟谷グループで行われる合同合宿に参加しないか、というお誘いがきます。
東京遠征で他校に揉まれ、帰ってきた日の夜。合宿帰りだというのに、まだ練習をしていく日向と影山。その自主練中に喧嘩は勃発しました。
初めての東京遠征は、波乱の幕開け!?
喧嘩の詳細を見ていく前に、東京遠征についてすこし触れたいと思います。
初めての東京遠征、聞いただけでテンションが上がるメンバーたち。…が、しかし!遠征の前には学生の本分・期末テストが待ち受けます。
「赤点がある人は合宿には行けません」
武田先生の言葉に戦慄する、日向、影山、西谷、田中…果たして彼らは合宿に行けるのか!?
運命の期末テスト
チームメイトに支えられ、西谷・田中のふたりはギリギリで赤点を回避。しかし、日向・影山は、残念ながらそれぞれ1教科ずつ赤点を取ってしまいます。
1年生ふたりを残し、東京に旅立つメンバーたち。日向と影山は、午前中の補修を受け、急いでみんなの後を追います。
まさか、合宿が始まる前から波乱の展開になるとは…笑
テスト回では、谷地さんという1年生の女の子が登場し、日向・影山に勉強を教えてくれます。彼女はその後、バレー部に入部、マネージャーとして東京遠征にも参加します。勉強だけでなく、バレーでも日向や影山を支える存在となっていくのです。
東京遠征、ようやくスタート!
そんな訳で1日遅れで参加した、日向・影山も合流し、ようやくいつものスタートをきった烏野バレー部。
遠征先には音駒だけでなく、東京の強豪・梟谷もいたりと、強者揃い。烏野はなかなか勝つことができません。
そんな中、日向は影山に、目を開けてスパイクを打ちたい、と言います。
この時の烏野の武器「変人速攻」は、日向がブロックの薄いところに全力で飛び込み、その打点に、影山が神業でトスをあげるというもの。
相手の意表はつけるものの、日向は真っ直ぐに打ち下ろすことしかできないため、読まれると簡単に止められてしまう、という諸刃の剣でもありました。
インターハイでは、この変人速攻を主軸に勝ち上がりましたが、県の強豪のひとつである・青葉城西に完全に止められ、敗北を喫した烏野。
もうこのままだと通用しない、もっと強くならないとダメだ、その強い気持ちから、日向は目を開けて、最後まで自分の力で戦いたい、と影山に訴えたのです。
あの速攻にお前の意思はいらない
しかし、超スピード速攻でもある「変人速攻」。たった一瞬のネットの上で、今の未熟な日向が自分で判断して打ち分けるなんて出来る訳がない。ましてや、春高予選に向けて最後の調整となる東京遠征。今さら新しいことをしたら、チームバランスが崩れてしまう。
「あの速攻に、お前の意思はいらない」影山はそう突き放し、日向を諦めさせようとします。同席していた菅原や、陰で話を聞いていた繋心も影山に同意。
納得いかない日向は、とりあえず頭を冷やせ、とこの日はコートから下げられてしまいます。
俺が!今のままじゃ、上にはもう通用しないんだ!!
遠征から学校に帰ってきた烏野メンバーたち。
それぞれ帰路に就くも、日向と影山は速攻の練習をし始めます。ふたりに気付いた谷地さんも手伝いに入ることに。
誰もいない体育館。日向の最高打点に何度も何度も上がるトス。目を開けて打とうとする日向。打たれず、コート外に溜まっていくボール。何回挑戦しても、全くうまくいかない速攻。
その状況にイライラし始める影山。遂に、苛立ちが口をついて出ます。
「この出来るかわかんねぇ攻撃を繰り返すより…他にやる事、山ほどあんだろうが!」
変人速攻が最大の武器である日向。それは逆を返せば、速攻以外はまだまだ発展途上という事。レシーブもサーブも、もっともっと練習を重ね、精度を上げる必要があります。
けれど、日向はこう返します。
「でも、俺は…この速攻が通用しなきゃ、コートにいる意味がなくなる」「俺は、自分で戦える強さが欲しい!」
そう息巻く日向に、春高バレー予選まであと1ヶ月、チームのバランスを崩すようなヤツはいらない、勝てないヤツにはトスをあげないと影山は言い切ります。
トスを上げてくれるまで離さない、と影山にしがみ付く日向。
そこから喧嘩はヒートアップ。影山に振り回されるながらも、日向はしがみ付いて離れない。言い合いも続きます。
東京遠征でも、青葉城西戦でも止められてしまった変人速攻。日向の指摘に、自分のトスが悪かったと言いたいのか!と憤る影山。
「違う!そうじゃない。完璧だった!ドンピシャだった!なのに止められた!」「俺が!今のままじゃ、上にはもう通用しないんだ!!」
ここで、谷地さんが呼んできた田中が仲裁に入り、喧嘩は止められます。
影山は完璧だったのに止められた。
それは、日向にとって自分の無力さを突きつけられた瞬間だったのではないでしょうか。
だからこそ、強くなりたかった。
勝つために。影山と同じコートで、一緒に戦うために。
それぞれで強くなり、変人速攻は更に進化する
この喧嘩の後からふたりは、ほとんど口を聞かず、ふたりで変人速攻の練習をすることもなくなりました。
代わりに、それぞれが今、自分に必要なことを、日向は強豪時代の烏野を率いた繋心の祖父・一繋と、影山は繋心に指導を受けながら谷地さんと、練習に励みます。
ふたりの姿を、気にはしつつも見守るチームメンバーたち。また、一心不乱に練習に取り組む日向と影山の姿に触発され、自分たちも、と自主練に精を出します。
そうこうしている内に夏休みに入り、再び東京へ。
日向、影山だけでなく、烏野メンバーはそれぞれが自分の課題に取り組んでいる最中。まだまだ未完成な技術を練習試合で試そうとします。
お蔭で練習試合では、ボロボロ。けれど、それでいい、と見守る先生やコーチたち。
東京合宿最終日。梟谷との練習試合の中、日向と影山の新しい変人速攻が初めて決まります。
テンションが上がって、影山を褒めまくる日向、その勢いに押される影山。取っ組み合いの喧嘩から約3週間。ようやく、変人コンビが再始動したのでした。
この回は、アニメ第4期『ハイキュー!!TO THE TOP』放送に先駆けて公募されたベストエピソード投票でもトップ10に入るほど、多くのハイキュー!!ファンの心に残ったお話のひとつと言えます。
◯TVアニメ『ハイキュー!!』ベストエピソード第8位
谷地さんの喜び方がかわいい…♡
喧嘩の瞬間も、その後のそれぞれの努力の過程も間近で見ていた谷地さん。
ふたりの再始動への喜びは、他の誰よりも強かったのかもしれませんね。
まとめ
・日向と影山の取っ組み合いの喧嘩は原作10巻82話、アニメではセカンドシーズン第5話。
・喧嘩のきっかけは東京遠征。変人速攻を目を開けて打ちたい!という日向の意思
・喧嘩後は会話もほとんどせず、それぞれで練習を重ねる。
・夏休み、練習試合の中で別々に練習した変人速攻がついに完成!ふたりの関係も再始動!!
まさに、雨降って地固まる。
この喧嘩がなければ、変人速攻の進化もなかったと言えます。
喧嘩のきっかけとなった、日向のもっともっと強くなりたい、という気持ち。
その想いは日向自身だけでなく、影山や他のチームメンバー、更にはコーチである繋心の背中をも押しました。
熱い、真っ直ぐな想いは年代に関係なく、いろんな人の心に響くんですね〜。
こうして、不揃いながらもそれぞれに成長したメンバーの歯車が少しずつ合っていき、春高予選の幕が開きます…!
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